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【2007年12月】 コーヒー市場

ブラジル裏作の影響

大起産業(株)調査研究室 小菅 努

Tel:052-201-6311(代表)
E-Mail:kosuge_tsutomu@hotmail.com

旱魃リスク後退で調整安
 ICEコーヒー相場は、主産地ブラジルの旱魃リスクを反映して10月上旬には140.50セントまで値位置を切り上げた。収量を確定する上で重要な開花・結実期を迎えているにも関わらず、9月以降は殆ど降雨が観測されなかったことで、生産見通しが大幅に下方修正されるリスクが警戒された結果である。ただ、10月に入ると、寒冷前線がブラジルに到達したことで、散発的な降雨が見られ、その後は旱魃リスクの後退から120セント水準まで下押しされている。
 これまで天候プレミアムを織り込む形で上昇してきたことを考慮すれば、これでダウントレンド入りする可能性も考えられたが、調整安の域を脱しておらず、総じて高値を維持している。こうした状況からは、足元のマーケットは必ずしも気象要因のみで動いておらず、ブラジルの裏作に伴う需給逼迫リスクにまで焦点を当てていることが推測される。即ち、旱魃リスクはコーヒー相場上昇のカタリスト(触媒)であっても決定要因ではなく、相場上昇の本質は、ブラジルの裏作に伴う需給逼迫リスクにあると考えられるのだ。

軽視できないブラジルの裏作
 ブラジルが裏作による大幅な減産となることは、早くから周知されていたことで、材料としては陳腐化の感が否めない。しかし、その世界需給に及ぼす影響を分析すれば、決して軽視することができない動きであり、仮に旱魃リスクが不発に終わっても、コーヒー需給を楽観視することは難しい。米農務省(USDA)によると、ブラジルの生産高は3,620万袋(前年比-1,050万袋)に留まる一方、推定需要は4,500万袋(国内消費1,700万袋+輸出2,800万袋)であり、前年の裏作による期初在庫増加を考慮に入れても、需要に対する供給不足は決定的となっている。この不足分は、輸出の抑制か在庫の積み崩しで消化されることとなり、コーヒー需給の逼迫状況はいずれかの経路を辿って顕在化する見通しである。
 ブラジル通貨レアル相場が対ドルで堅調となっていることで、輸出実績は8-10月の3ヶ月連続で前年同期の水準を下回っている(Cecafe調べ)。これは焙煎業者の買い手当てが遅れていることを示唆しており、今後も安値では実需の買い支えが相場の下落余地を限定することとなるだろう。9-10月の旱魃による生産への影響などの不確実要素も残るが、こうした気象要因を考慮に入れなくとも、130-140セント水準は特に割高な価格帯とは考えていない。年末に向けては、ブラジルで好天が続いたとしても、110-115セント水準を下値に高止まる展開を想定している。

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