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2007/11/14
大起産業(株)調査研究室 小菅 努 |
| Summary 【需給概要】 |
| 2007年の白金需要は前年比2.9%増加し、過去最高となる693万オンスになる見通し。引き続き、ディーゼル車を中心とした自動車触媒需要が牽引している。自動車部門の需要は前年比2.3%増の424万オンスが予測される。価格が過去最高水準に到達したにもかかわらず、工業需要は前年比2.1%増の191万オンスが予測される。宝飾需要は、中国と欧州市場の拡大にも関わらず、前年比1.5%減の160万オンスまで小幅減少する見通し。一方、以前の予測ほどに伸びず、前年比0.9%減の666万オンスとなる見通し。南アフリカで労使や安全問題が浮上した影響。この結果、白金需給は26.5万オンスの需要超過状態に戻る見通し。 |
| Supply-1 【南アフリカの供給状況】 |
2007年の南アフリカからの供給量は、前年比1.3%減の522万オンスとなる見通し。多くの生産会社が当初計画を下回る生産水準となっている。最大手アングロプラチナの上期生産高は、前年比11%減の119万オンス。8万オンスがパイプライン在庫として貯蔵された結果である。同社では安全上の問題から一部鉱区での採掘が停止している。
インパラ・プラチナの上期生産高は、前年比5%減の51万オンス。品質悪化による採掘量減少に加え、労働上の問題から操業率が低下している。
ロンミン・プラチナの上期生産高は、前年比11%減の32.8万オンス。最大の精錬所が4ヶ月に渡って閉鎖した影響が大きい。ただ、4月からは操業を再開しており、年末にかけては通常の生産水準を上回る見通し。 |
| Supply-2 【ロシア/北米の供給状況】 |
2007年のロシアからの供給量は、前年比7.9%減の82万オンスとなる見通し。ノリリスク・ニッケルの生産が大きく落ち込んでおり、それがそのまま同国の生産量減少につながっている。また、法的な問題から今年初めに輸出が停滞した影響もある。
2007年の北米からの供給量は、前年比5%減の34万オンスとなる見通し。スティルウォーターの生産が、労働争議の影響で大きく落ち込んでいる。一方、ジンバブエの白金供給は、前年比4%増の28万オンスとなる見通し。同国の経済危機にもかかわらず、主要鉱区での生産が好調だった。 |
| Demand-1 【自動車触媒の需要動向】 |
2007年の自動車触媒需要は、前年比9.5万オンス増の423.5万オンスとなる見通し。LDV基準を満たした上期の自動車生産台数が7,000万台を超えたことが寄与。ただ、価格高騰で白金からパラジウムに触媒貴金属使用を切り替える動きが強くなっている。
欧州では、前年比1万オンス増の210.5万オンス。ディーゼル車の90%を越える211万台に白金触媒が使用されている。西欧の自動車販売台数は落ち込んでいるが、ディーゼル車のシェアは52%まで拡大している。これらディーゼル車は、触媒金属としての白金搭載量が多い。
日本では、前年比1万オンス増の61.5万オンス。自動車生産台数は他地域との比較で鈍化したが、前年の水準を小幅上回っている。主に輸出自動車で輸出先の環境規制に適合するために、白金積載量を増やす動きが強まった模様。ただ、白金からパラジウムにシフトする動きが強くなっており、今後もこうした動きは継続される見通し。
北米では、前年比0.5万オンス減の90.0万オンス。中・大型ディーゼル車向けの使用量が増えたが、パラジウムに触媒貴金属使用を切り替える動きが強く、ほぼ前年並みの水準に留まっている。
中国では前年比5.5万オンス増の21.0万オンス。自動車市場が前年の435万台から540万台まで急激に拡大したことで、白金使用量も押し上げられている。2007年7月にはEuroVに準拠した新環境規制も導入されており、新車での白金搭載量は増加する見通し。
その他地域では同2.5万オンス増の40.5万オンス。インドなどの新興国での自動車生産台数が拡大している。インドでのLDV規制適合車の生産台数は前年の170万台から190万台まで増加する見通し。 |
| Demand-2 【宝飾品の需要動向】 |
2007年の宝飾需要は、前年比2.5万オンス減の159.5万オンスとなる見通し。中国や欧州の需要が持ち直したが、価格高騰を受けて日本の需要が大きく落ち込んだ影響を相殺するには至っていない。
欧州では、前年比1.5万オンス増の20.5万オンス。金など黄色系貴金属の人気が高まっているが、ブライダル関連の需要が堅調となっている。ただ、価格高騰で低額商品市場でのシェアは縮小している。
中国では、前年比2万オンス増の78万オンス。過去数年に渡って市場規模の縮小が続いてきたが、増加に転じている。前年にリサイクル供給が大幅に増加した反動で、宝飾業者の買い付け量が増加している。上海取引所での取引高は、2007年8月に過去最高を記録するなど、活況を呈している。
日本では、前年比5.5万オンス減の30.5万オンス。価格高騰でリサイクル供給が増えていることで、市場から調達する必要性が低下している。百貨店でのブライダル宝飾品は過去3年で40%近く上昇しているが、これは白金シェアに殆ど影響がない。ただ、高齢化に伴いブライダル需要は落ち込む見通しであり、業界は他の需要先を探す必要性に迫られている。 |
| Demand-3 【工業の需要動向】 |
工業需要は、前年比4.0万オンス増の190.5万オンス。
化学関連需要は、前年比1.5万オンス増の39.5万オンス。世界経済の拡大に伴い、白金触媒を必要とする化学製品の製造が拡大した。特に、バイオエネルギー関連の需要が急速に拡大している。
電気製品関連需要は、前年比3.5万オンス増の43.5万オンス。前年に続き、ハードディスク関連の需要が堅調。ただ、白金を使用しないフラッシュメモリーが登場しており、ハードディスクとのシェア争いが激化している。
ガラス関連需要は、前年比5.5万オンス減の35.5万オンス。LCDがプラズマパネル関連の需要が堅調だったが、CRT向け需要の落ち込みを相殺するには至っていない。
石油関連需要は、前年比4.5万オンス増の23.0万オンス。原油価格の高騰に伴い、南アジアなどで石油プラントの建設が加速している。 |
| Outlook 【展望】 |
価格高騰は需要に対してネガティブとなっているが、白金需要の主要の主要項目における増加トレンドは、2008年にも維持される見通し。自動車市場におけるディーゼル車向け需要が、短期から中期にかけての需要拡大を牽引する可能性が高い。2008年には欧州、2010年には米国で環境規制が強化される見通しとなっている。宝飾に関しては、金との価格差拡大で競争が激化しているが、消費者の白金宝飾品に対する関心は高い。年末までには7万オンス前後の需要が見込まれるが、ETF関連需要は期待外れだった。一方、供給は南アフリカを中心に拡大を維持する見通し。
2007年1-9月期の価格上昇はタイトな需給を反映したものである。良好な経済環境と供給の伸び悩みが、ボラティリティを高めている。サブプライムローン問題やドル安が、貴金属価格を押し上げている。世界経済に大きな変化がなければ、今後6ヶ月も上昇基調は継続される見通し。ただ、南アフリカの生産が計画通りに行われれば、価格は軟化する見通し。もっとも、1,350ドル水準では実需の買い支えが予測される。上値は、良好な需給と金相場の堅調地合を反映して、1,500ドル水準となる。ドル安が加速することがあれば、1,575ドルに到達する可能性もある。 |
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